離婚を考え始めたら、安心して相談できる場所を知るリスト
はじめに - 誰かに話してみませんか
離婚について考えることは、多くの場合、一人で抱え込んでしまいがちな、とても大変なことです。これからどうなるのだろう、何から始めたらいいのだろう、と不安でいっぱいになるかもしれません。
インターネットで調べてみても、難しい言葉がたくさん並んでいて、かえって混乱してしまうこともあるかもしれません。また、身近な人には話しにくいと感じる方もいらっしゃるでしょう。
でも、大丈夫です。一人で全てを抱え込む必要はありません。あなたの状況を整理し、これからのことを考える上で、誰かに話を聞いてもらうこと、相談してみることは、とても大きな助けになります。
このページでは、離婚について安心して相談できる場所にはどのようなものがあるのか、そして、どんな専門家がどんな手助けをしてくれるのかを、分かりやすくご案内します。ぜひ、これを読んで、最初の一歩を踏み出すためのヒントにしてください。
相談できる場所を知るリスト
離婚について相談できる場所は、いくつかあります。あなたの今の状況や、何を相談したいのかによって、適した場所が異なります。
まずは、どのような相談先があるのかを知ることから始めましょう。
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信頼できる身近な人
- どんな時に? まずは誰かに気持ちを聞いてほしい、心の整理をしたい、といった場合
- どんな人が? 家族、長い付き合いの友人、親戚など、心から信頼できると感じる人
- 良いところ: あなたの気持ちに寄り添って話を聞いてくれることが期待できます。一人ではないと感じられる安心感につながります。
- 注意点: 専門的な法律の知識が必要なことや、具体的な手続きについては、適切なアドバイスをもらうのが難しい場合があります。話が広まってしまう可能性も考慮しておきましょう。
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専門家
離婚に関する法的な手続きや、お金のこと、お子さんのことなど、専門的な知識が必要な相談をしたい場合は、専門家に頼るのが一番確実です。専門家には、主に次のような人たちがいます。
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弁護士さん
- どんな時に?
- 離婚の話し合いがうまくいかない
- 相手との間に争いがある(財産やお金、お子さんのことなど)
- 調停や裁判といった手続きが必要になりそう
- 自分の代わりに相手と交渉してほしい
- どんな手助けを?
- 法律に基づいた正確なアドバイスをくれます。
- 相手との交渉や、裁判所での手続きをあなたの代わりに行ってくれます。
- どこで探せる?
- お近くの弁護士会に問い合わせる
- 日本弁護士連合会のウェブサイトで探す
- 後で説明する「法テラス」に相談する
- どんな時に?
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行政書士さん
- どんな時に?
- 夫婦で話し合って、離婚の条件について合意できた
- その合意した内容をきちんと書面に残したい
- 複雑な争いはないけれど、書類の作り方が分からない
- どんな手助けを?
- 夫婦で合意した内容を、法的に有効な「離婚協議書」などの書類にするお手伝いをしてくれます。
- 注意点: 相手との間に争いがある場合や、あなたの代わりに相手と交渉することはできません。書類作成の専門家と考えてください。
- どこで探せる?
- お近くの行政書士会に問い合わせる
- 日本行政書士会連合会のウェブサイトで探す
- どんな時に?
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その他の相談先
- カウンセリングなど
- どんな時に? 気持ちの整理がつかない、不安でどうしようもない、心の支えがほしい、といった場合
- どんな手助けを? 専門家があなたの気持ちに寄り添い、心の負担を軽くするためのお手伝いをしてくれます。
- カウンセリングなど
無料で相談できる場所もあります
専門家への相談は費用がかかるのでは、と心配な方もいらっしゃるかもしれません。実は、無料で相談できる窓口もあります。
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法テラス(日本司法支援センター)
- 国が設立した、法的トラブル解決のための情報提供や支援を行っている場所です。
- 収入などに一定の条件はありますが、無料での法律相談を受けられたり、弁護士費用や行政書士費用を立て替えてもらえたりする制度があります。
- まずは電話や窓口で、あなたの状況を伝えてみてください。どのような支援を受けられるか教えてもらえます。
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弁護士会や行政書士会の無料相談
- 各地域の弁護士会や行政書士会が、定期的に無料の法律相談会などを開いていることがあります。
- 限られた時間ですが、専門家に直接アドバイスをもらうことができます。事前に予約が必要な場合が多いので、調べてみましょう。
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市区町村の相談窓口
- お住まいの役所で、法律相談などの窓口を設けている場合があります。広報誌などで案内されていることがあります。
相談する時に心しておきたいこと
相談に行く前に、少しだけ準備をしておくと、よりスムーズに、そして聞きたいことをしっかり聞くことができます。
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今の状況を整理してみましょう:
- 夫婦の関係性(いつから別居しているか、普段の会話はどうかなど)
- 財産のこと(貯金、家、車、保険など、どのようなものがあるか)
- お子さんのこと(年齢、今後の生活、希望など)
- 離婚したいと考えた理由
- 離婚するとして、どのようにしたいかという希望(まだ漠然としていても大丈夫です)
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聞きたいことをメモしておきましょう:
- 専門家を前にすると緊張して、聞こうと思っていたことを忘れてしまうことがあります。
- 「〇〇について知りたい」「△△はできるのか」など、紙に書き出しておくと安心です。
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正直に話しましょう:
- 相談相手には、状況を正直に話すことが大切です。都合の悪いことや、言いづらいことも含めて話すことで、より正確なアドバイスをもらうことができます。
最後に - 一歩踏み出す勇気
離婚について誰かに相談することは、「離婚に向けて進むこと」をすぐに意味するわけではありません。あくまで、今のあなたの状況を整理し、どのような選択肢があるのかを知るための大切な一歩です。
一人で悩まず、勇気を出して相談してみてください。きっと、あなたの気持ちに寄り添い、これからの道を一緒に考えてくれる人が見つかるはずです。
この情報が、あなたの不安を少しでも軽くし、安心して次のステップに進むためのお手伝いになれば幸いです。