離婚を考え始めたら、年金のこと「まずこれだけ」確認してみましょう
離婚を考え始めたら、年金のこと「まずこれだけ」確認してみましょう
離婚を考え始めると、これから一人で生活していけるのだろうか、お金のことはどうなるのだろうか、とたくさんの不安が生まれてくることと思います。特に、将来受け取る年金について、どうなるのか心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
年金の話はなんだか難しそう、と感じるかもしれませんが、大丈夫です。ここでは、まず「これだけは知っておきたい」「これだけは確認しておきたい」という大切なポイントを、一つずつ整理してみましょう。難しく考えすぎず、ご自身のペースで、一緒に見ていきましょう。
年金分割って、いったい何でしょう?
よく「年金分割」という言葉を耳にするかもしれません。これは、簡単に言うと「夫婦が結婚していた期間中に、お二人で納めた保険料の一部を、夫婦で分け合う」という考え方です。
主に、会社員として働いていた方が加入している年金(厚生年金や共済年金といいます)が対象になります。自営業の方などが加入する国民年金は、この年金分割の対象にはなりません。
なぜこのような制度があるかというと、長年連れ添った夫婦の場合、例えば夫が外で働き、妻が家を守るという形で役割を分担し、協力して家庭を築いてきたと考えられているからです。夫が納めた保険料は、夫婦二人の協力があってこそ納められたもの、と捉え、それを離婚時に分け合うことができるように考えられた仕組みなのです。
この年金分割をすることで、離婚後、ご自身の年金に加えて、分割された分を将来受け取れるようになる場合があります。
まずこれだけ! 年金について確認しておきたいことリスト
年金分割の手続きは、専門的な部分もありますが、まずはご自身で、基本的な情報を確認することから始められます。以下のリストを使って、一つずつ整理してみましょう。
年金について まず確認することリスト
- □ 夫が、結婚していた期間中に会社員でしたか? 公務員でしたか? または、自営業でしたか?
- (会社員や公務員だった場合、年金分割の対象になる年金に加入していた可能性があります)
- □ 夫の年金に関する情報(年金手帳、ねんきん定期便など)は、どこにあるか分かりますか?
- (もしあれば、今後の確認や手続きに役立ちます)
- □ ご自身の年金手帳や、ご自身の「ねんきん定期便」は、どこにあるか分かりますか?
- (ご自身の年金についても確認しておくと安心です)
- □ 結婚していた期間は、だいたい何年くらいですか?
- (年金分割の対象となる期間の目安になります)
- □ 離婚後の生活について、年金以外にどのような収入が見込めますか?
- (たとえば、ご自身の貯金、財産分与で受け取るお金など)
- □ 年金について、誰かに相談できる場所はありますか?
- (例えば、国の年金の窓口や、専門家など)
このリストを埋めることができなくても、心配しないでください。今分かるところまでで十分です。
難しければ、一人で抱え込まないで
年金の話は複雑に感じられるかもしれません。リストを埋めるのも、難しいと感じることもあるでしょう。そんな時は、一人で抱え込まずに、頼れる人や場所に相談することを考えてみてください。
国の年金の窓口(「年金事務所」などと呼ばれています)では、年金の仕組みやご自身の状況について相談することができます。また、弁護士や行政書士といった専門家も、年金分割を含む離婚の手続きについてサポートしてくれます。
ご自身のペースで、まずは「知る」ことから始めてみませんか。このリストが、その最初の一歩を踏み出すお手伝いになれば幸いです。
まとめ
離婚を考える際、年金のことは将来の生活の土台となる大切なことです。専門的な話が多いですが、まずは「夫が結婚期間中に会社員等だったか」「年金に関する情報があるか」といった基本的な点を確認することから始められます。
難しければ、一人で全てを理解しようとせず、国の窓口や専門家の力を借りることもできます。このリストを活用して、一つずつ、ゆっくりと準備を進めていきましょう。